毎日行っている業務なのに、チームがその流れを図にするのに苦労するのはなぜですか?

チームが苦労するのは、業務の流れが一連の手順としてではなく、習慣として各自の頭の中にあるためです。そのため、最初に聞き取れる説明は、面倒な部分が省かれた、順調に進む場合の手順になりがちです。例外、待ち時間、「手が空いている人が担当する」作業こそが、遅延やミスの原因になります。

架空の25人規模の会計事務所、リンドクヴィスト&ラオを例に考えます。事務所管理者のプリヤは、新たに職員を2人採用する前に、新規顧客の受け入れ手順を整理するよう依頼されました。メモにはこうあります。'新規顧客 ― サムが業務委託契約書を作成し、メールで送信。顧客が署名(数週間かかることもある)。次に本人確認書類 ― 写真付き身分証明書と住所証明書をジョーが確認。不足があれば2回催促し、その後は共同経営者が電話。そろったら業務管理ソフトに登録 ― ジョーかサムの手が空いている方が担当。共同経営者が料金を承認。法人なら英国の法人登記機関で確認。歓迎メール。'

業務フロー図は、どのような手順で作成しますか?

業務フロー図を作るには、まず開始点と終了点を決め、次に各手順を動詞と目的語で記述し、担当者を1人ずつ割り当てます。その後で、引き継ぎ、判断、例外を追加します。AIはメモをすばやくこの構造に整理するのが得意ですが、実際の業務を知っているわけではありません。そのため、AIが見つけた抜けはすべて、チームへの確認事項になります。

1. 範囲と制約を決めます

プロセスを開始するきっかけ(顧客が見積もりを承諾する)と、終了となる結果(案内メールが送信される)を明示します。

2. 各手順を「対象+動詞」の形で列挙します

'業務委託契約書を送る'、'本人確認書類を確認する'。1つの手順につき、行動は1つにします。'〜して、〜する'となる手順は分割してください。

3. 各ステップに担当者を一人割り当てます

できる限り、氏名ではなく役割を使います。担当者はスイムレーン図の各レーンになります。「手の空いている人」は担当者ではなく、未解決の確認事項として記録します。

4. 引き継ぎ箇所を明示します

引き継ぎとは、作業の担当が別の人に移る箇所です。引き継ぎでは待ち時間が生じるため、何を渡すのかを記録します。

5. 判断事項を「はい」か「いいえ」で答えられる質問にする

'本人確認書類はすべて受領済みですか?' 回答ごとに、次に行うことを決める必要があります。

6. 例外を別に列挙する

例外とは、通常の流れから外れるケースです。たとえば、いつまでも署名しない顧客や、有効期限が切れた書類などが該当します。その場合にどう対応し、誰が判断するのかを確認します。

7. 図を求める前に、AIに表を作ってもらう

手順、担当者、入力、出力、次の手順をまとめた表なら、1行ずつ容易に確認できます。図はその後に描いてください。

AIを使う業務のプロセスマップには、不十分な例と改善した例でどのような違いがありますか?

不十分なプロンプト:「このメモから、当社の新規顧客受け入れの業務フロー図を作ってください。」典型的な結果は、「顧客からの問い合わせを受領」から始まる9つの手順が、一直線にきれいに並んだものです。誰も挙げていない「顧客をCRMに追加」という手順も含まれます。すべての手順が順番どおりに進み、担当者は示されず、催促やパートナーへの電話は消え、英国の会社登記所での確認はすべての顧客が対象になっています。

改善したプロンプト:「以下のメモを基に、業務フローを表にしてください。列は、手順番号、手順(動詞と対象)、担当する役割、入力、出力、次の手順とします。顧客が見積もりを承諾した時点から始め、案内メールを送信した時点で終えてください。判断が必要な箇所は、はい・いいえで答えられる質問にし、両方の分岐先を示してください。例外は別に一覧にしてください。メモにない手順は追加しないでください。メモが不明確な箇所は推測せず、確認すべき質問を書いてください。」

改善後の結果には、担当者が明確な6つの工程、2つの判断箇所(「業務委託契約書は署名済みですか?」と「顧客は法人ですか?」)、書類不足時の例外対応経路1つ、プリヤへの4つの質問が示されています。質問は、ジョーとサムの両方に手が空いている場合に誰がソフトウェアのアカウントを設定するのか、パートナーがいつ料金を承認するのか、最初の催促まで事務所はどれだけ待つのか、顧客が最後まで署名しなかった場合はどうするのか、というものです。これらの質問こそ、出力の中で最も価値のある部分です。

業務フロー図を、実際に業務を担当する人とどう確認しますか?

業務フロー図は、各工程を担当する人と一緒に、最近の実例を1件、最初から最後までたどって確認してください。「実際には、普段は…」という指摘が出た箇所はすべて記録します。現場の訂正に合わせて草案を直すのであって、その逆ではありません。

実際の事例を順に確認

ジョーとサムに、直近で受け入れ手続きを行った顧客の対応をたどってもらいます。実際の対応が業務フロー図から外れた箇所は、図が間違っているか、不完全です。

各担当者の同意を確認する

ある工程の担当者が、自分が担当だと知らなかった場合、それは誤記ではなく、調査で明らかになった問題です。

「現状」と「あるべき姿」を分けます

まず、現在の業務の流れを図にします。改善案は、改善版であることを明記した第2版にまとめます。

業務プロセス図には、BPMNのような正式な記法が必要ですか?

社内の業務フロー図の多くには、正式な記法は必要ありません。手順を四角、判断をひし形で示すスイムレーン図で十分です。業務フロー図を自動化や監査に使う場合は、オブジェクト・マネジメント・グループが管理し、ISO/IEC 19510として発行されているビジネスプロセスモデルと表記法(BPMN)が共通の標準です。

AIで業務プロセスを可視化する際によくある間違いは何ですか?

最大の間違いは、AIが作った下書きをそのまま実際の業務手順として受け入れることです。それでは、業務の可視化によって明らかにするはずだった例外や責任分担の曖昧さが隠れてしまいます。ほかにも、実態ではなく理想の手順を描く、ツールに汎用テンプレートから工程を追加させる、元となる表を誰も確認していないうちに見栄えのよい図を作る、といった間違いがあります。貼り付けるメモには顧客の個人情報を含めないでください。ツールに必要なのは構造だけです。

このレッスンはTosheo.aiの講座一覧のどこに位置づけられていますか?

業務フロー図は、「業務運営のためのAI」カテゴリーにある実践者向けレッスンです。同じカテゴリーには、メモからのSOP作成、仕入先比較、進捗報告、チェックリストと監査もあります。全レッスンは、業務運営チーム向けAI研修のページで確認できます。実践課題では架空の業務の説明文が提示され、採点基準では、担当者、判断、例外、受講者が挙げた疑問点を確認します。自動化に取り組む前の第一歩も、わかりやすい業務フロー図を作ることです。AI自動化コースでは、そこから先を扱います。

出典と対象範囲

オブジェクト・マネジメント・グループ:ビジネスプロセスのモデルと表記法(BPMN)。ISO/IEC 19510としての規格化を含みます。19 October 2026確認 ↗