会計業務ではAIがどのように使われていますか?

会計事務所でも社内の会計チームでも、AIは数値そのものを扱うよりも、数値に付随する文章の作成や説明に主に使われます。その用途が最も信頼しやすく、間違いも見つけやすいためです。

多くの会計・記帳システムにも、勘定科目の提案や自動照合などのAI機能が搭載されています。これらはソフトウェアの提供元と管理者が設定するものです。このガイドでは、個々の経理担当者が自分の業務でAIアシスタントを使い、AIの提案を確認する方法を扱います。

顧客とのコミュニケーション

不足している記録の提供依頼、申告・届出内容の説明、会計の専門家ではない顧客に向けた決算書類のわかりやすい要約などの下書きを作成します。

調査の手がかり

一次資料を確認する前に、入手した長いガイダンスを要約したり、調べるべき質問を列挙したりします。

手順メモ

自分が行っている作業の手順を、後輩向けの分かりやすいチェックリストや業務手順書にまとめます。

照合メモ

未照合項目について、判明していることと未解決のことを明確に記載すること。

表計算のサポート

引き継いだ数式を説明するか、よりわかりやすい数式を提案し、実際に使う前に検証することです。

会計専門職によるAIの利用について、専門機関の指針では何と述べられていますか?

専門職団体は、まったく別の規則を作るのではなく、既存の倫理原則をAIに適用しています。ICAEWの生成AIガイドでは、誠実性、客観性、専門能力と正当な注意、守秘義務、職業的行動という5つの基本原則を、これらのツールの利用に適用しています。

そこで示されている実務上の要点は、どの会計専門職も今日から実行できるものです。データを誰が閲覧できるか、どれくらいの期間保存されるかについて、利用者が管理できる範囲は限られるため、一般公開の生成AIツールに機密情報を入力しないよう勧めています。出力の確認では職業的懐疑心を持つよう求め、自動化バイアスに注意を促しています。顧客向け業務で生成AIを使う際には、その使用を明らかにすることを推奨しています。また、これらのツールは専門知識やスキルの不足を補うものではないと明言し、現行法令を反映していない可能性も指摘しています。

別の団体に所属している場合は、その団体のガイダンスと倫理規程を確認してください。求められることが異なる表現で示されている場合があります。このページは一般的な情報であり、専門的助言や法的助言ではありません。

AIが作成した顧客向けメールは、確認を経るとどのような内容になりますか?

プリヤ・ナイルは、架空のインテリアデザイン事業を個人事業主として営んでいます。担当の会計士が年度末の決算書類を作成するには、まだ不足している資料が必要です。具体的には、3か月分の銀行取引明細、高額な設備購入2件の領収書、自宅のうち仕事に使用している割合の確認です。

「不足している年度末の書類を送ってもらうよう、顧客宛てに親しみやすいメールを書いて」と依頼すると、アシスタントは感じのよいメールを作成しました。しかし、そのメールには申告期限が記載され、具体的な金額の罰金について警告し、在宅勤務の経費は「一律30パーセントで」計上できるとも書かれていました。いずれも、依頼した会計士が提供した情報ではありませんでした。期限と罰金は、その会計士に適用される管轄地域や申告上の状況によって異なり、在宅勤務の経費に関する記述は、一般的な説明としては明らかに誤っていました。

確認・修正後のプロンプトには、三つの項目、会計担当者がそれらを必要とする期日、アップロード方法を記載し、'税務上の規則、期限、税率、罰則については一切記載しないでください。'と加えました。その後、会計担当者が税務当局の公表日程と照合し、期限について自分で一文を加えました。最終的なメールは短く具体的になり、会計担当者が責任を持てない内容は含まれていませんでした。

AIは銀行勘定調整の注記作成に役立ちますか?

内容を明確に書く手助けはできますが、解決を任せるべきではありません。架空の顧客の銀行勘定調整で、未照合の項目が2つあるとします。銀行取引データに二重に表示されている仕入先への1,240の支払いと、対応する請求書がない380の入金です。

AIが作成した下書きでは、最初の項目を「仕入先から返金を受けるべき重複支払い」、次の項目を「顧客からの前受金と思われる入金」と説明していました。どちらも正しい可能性はありますが、どちらも推測です。重複に見える支払いは、同額の正当な請求書2件への支払いかもしれません。入金は、返金、振替、預り金の可能性があります。実務に役立つ記録では、各項目の日付と金額、考えられる説明、確認を終えるために必要な証拠を記載し、結論は仕入先の取引明細と顧客の記録を確認する人に委ねます。

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AIは税務や専門的な会計の質問に答えられますか?

税務や会計基準についてのAIの回答は、どれも結論ではなく、調査の手がかりとして扱ってください。汎用アシスタントは、古い資料や不完全な資料を参照したり、異なる国の規則を混同したり、すでに変更された基準額を示したりすることがあり、それらを確信に満ちた口調で述べます。イングランド・ウェールズ勅許会計士協会のガイドも、現行法について同じ点を指摘しています。

AIで問いを整理し、関連分野と調べるべき項目を特定したうえで、法令、税務当局自身の指針、会計基準などの一次資料を確認します。どの情報源に基づいたかを記録します。ツールが出典を示した場合は、それを開いて該当箇所を探します。本物らしく見える出典と、正しい出典は同じではありません。

記帳担当者はAIによる仕訳の分類をどのように確認すべきですか?

取引だけでなく、分類ルールも確認します。会計ソフトのAIによる分類は通常、過去の勘定科目の割り当てから学習するため、初期の誤りが毎月繰り返されることがあります。新規の仕入先、事業用と私用が混在する経費、資本的支出と収益的支出の区分が曖昧なもの、通販サイトへのカード決済など摘要が曖昧な取引を確認します。

候補の照合を誤りやすい支払先やパターンを例外リストにまとめ、毎期確認してください。明確なケースでは照合候補によって時間を節約できますが、不明確なケースでは引き続き領収書の確認が必要です。

AIは会計士を置き換えますか?

誰もそれに確かな答えを出すことはできません。予測を事実として示している場合は、慎重に受け止める必要があります。言えるのは、会計業務でAIが下書き、要約、パターン照合をより多く担うようになっている一方で、判断、職業的懐疑心、顧客情報の守秘、数値の最終承認に対する責任は、専門職の規則に基づき、引き続き有資格者が負うということです。

関連する問いとして、AIは有資格の会計士より優れているのかというものがありますが、これは異なる種類のものを同列に比べる誤りに基づいています。AIツールは助言らしく聞こえる文章を生成できますが、その内容について専門家としての責任を負うことも、顧客の状況をすべて把握することも、倫理規範に従う責任を問われることもありません。恩恵を受けやすいのは、こうした責任をしっかりと担いながら、これらのツールの使い方を学ぶ会計士です。

AIツールに入力してもよい顧客情報は何ですか?

そのツールとプランについて、所属先が承認した情報だけに限ります。顧客情報が機密情報に当たる場合は、一般消費者向けの公開ツールには一切入力しないでください。業務委託契約などの条件によって、顧客データの処理方法や処理できる人が制限されている場合もあります。

練習やテンプレート作成には、このページの例のような架空のデータを使ってください。承認済みのシステム内で実際の顧客業務にAIを使う場合は、ほかの業務と同じ確認記録を残してください。元資料、確認内容、最終版の承認者を記録します。

経理チームがこうした習慣を実践するにはどうすればよいですか?

顧客向けメールと照合の例を、架空のデータを使ったチーム演習に活用してください。各自がAIで下書きを作成し、削除した内容や未解決のまま残した項目を一覧にします。その一覧から、誰が架空のルールに気づき、誰が根拠のないまま項目を解決済みにしているかが分かります。

Tosheo.aiは、こうした課題、明示された採点基準に沿ったフィードバック、チャット履歴を表示せずスキルの進捗を確認できる管理者画面を備えた財務・経理コースを予定し、構築を進めています。まだ開発前の段階なので、これは予定している提供範囲です。会計、税務、規制に関する専門研修は提供しません。また、所属する専門職団体が認めない限り、専門職の継続的能力開発の要件には算入されません。

出典と対象範囲

ICAEW、生成AIガイド:生成AIと倫理 ↗